右腕神経叢損傷(みぎわんしんけいそうそんしょう) その3 ~術後経過観察~
すごくお久しぶりです。更新しようしようと思いながらもやらずにダラダラしてたら、気付いたら前回の記事から1年と8ヶ月経っていました。時の流れって早いですね... orz
この期間には色々とメンタルが削られることが盛りだくさんで、精神的に強くならないと生きていけないイベント目白押しでした。詳細が聞きたい人は飲みに誘ってください。
今回は右腕神経損傷の症状の振り返りと、手術後の経過観察をまとめていきたいと思います。
症状の振り返り
前回からの引用です。
脊髄から腕に伸びている5本の神経のうち、上から3本の運動神経が脊髄から引き抜け、 他の神経もダメージを負っている状態。 この損傷により、感覚は腕全体にあるものの、肩を動かす筋肉と肘を曲げる筋肉が機能せず、 麻痺による痛みは腕に残っている。
http://www.ogoridaiichi.jp/wansinkeisou/ こちらのサイトの情報を使って説明させていだだくと
- 第五頸髄神経 (C5 肩の運動) : 引き抜け
- 第六頸髄神経 (C6 肘の屈曲) : 引き抜け
- 第七頸髄神経 (C7 肘の伸展, 手首伸展) : 引き抜け
- 第八頸髄神経 (C8 手指屈曲) : 損傷
- 第一胸髄神経 (T1 手指運動) : 損傷
ここに付け足すとすると
- 一番最初は指も全く動かなかったが、1ヶ月ぐらいで動くようになった
- ただし、握るくらいがせいぜいで、ものの操作はおろか、つまむのも困難
- 感覚神経も損傷しているため、慢性的に痺れがある
- 痺れが強い時は熱のないやけどのような感覚
- 親指・人差し指の痺れが特に強い
というのが加わります。
手術内容
神経交叉移行術
肋間神経を合計5本採取し、
- 肘屈曲
- 腕を開く動き
- 脇を開閉する動き
を再建する
術後の経過観察
17/1月 ~ 2月中旬
手術後の神経が完全にくっつくまで右腕を胴体に包帯で完全固定していた。
17/2月中旬 ~ 6月
包帯での完全固定はする必要がなくなった。三角巾で右腕を釣っている状態。 右腕の動きは全くない
17/6月~12月
筋電図で上腕の肘屈曲を行う筋皮神経の波形を確認できるようになり、徐々に肘が曲げられるようになる。 肘は曲げられるようになるものの、角度をつけることなどはできず、胴体の前の範囲で曲げられるだけである。
18/1月 ~ 7月
筋電図で脇を開く動きを作る筋肉と、腕を開く動きを作る筋肉の波形を確認できるようになる。 しかし、動きは全く現れない
18/8月 ~ 11月現在
脇を開く動きを作る筋肉と腕を開く動きを作る筋肉の動きが少しずつ出てくる。水中では明確に動きが確認できる。
という推移で筋肉の動きが再建されていった。 肘屈曲に対して、脇を開く動きと腕を開く動きがなかなか筋電図で波形が取れなかったのは、移植した肋間神経が長いため、神経が繋がるまで時間がかかったのと、肘の動きは前腕の重さだけでいいものの、肩の動きは前腕+上腕の重さを動かす必要があるため、そのぶん時間がかかってしまいます。
現状右腕でできることと所感
- 胴体をうまく使いながらであれば、1kg以下のものは持つことができるが、長時間持っていると腕がつりそうになる
- 肘の動きが全くなかった頃は服を着るのにかなり苦労していたが、ちょっと前腕の位置を調整できるようになるだけで、かなり服は着やすくなった
- 神経がつながれば繋がるほど、上腕に触られると過敏に反応し、強く痺れが走る
- 低気圧や急な温度変化によって腕の痺れが強くなる
- ひどいと頭痛なども併発するようになった(怪我する前は低気圧と無縁の人生でした)
- リハビリはお風呂の中でやるのが一番効果的
- 可能なかぎり自分でできることをやらないと色々と人間関係に問題が生じる
おわりに
症状としてはだいぶ安定してきており、右腕に不自由を抱える生活にだいぶ慣れてきております。 人間やればどうにかなるものですが、それをするためには相当の覚悟と決意が必要になってきます。 障害者として感じたことについてはいろいろと語りたいのですが、長くなるのでまた次の機会に〜